「部下をもっと褒めてあげたいのに、どんな言葉を選べばよいかわからない」
「成果が出たとき以外は、褒めるポイントが見つからない」
そう感じる上司の方は少なくありません。
日本のビジネス文化では「謙遜」が美徳とされる場面が多く、上司自身も“褒め言葉を口にするのは気恥ずかしい”と感じてしまいがちです。
その結果、せっかくの努力や成長が承認されず、モチベーション低下につながってしまうケースもあります。
しかし心理学やコーチングの研究では、「適切な褒め言葉は、部下の自己重要感を高め、行動の再現性を強める」とされています。
言い換えれば、上司の一言がチーム全体の力を大きく引き出すのです。
本コラムでは、ビジネスの現場で一般的に推奨される褒め方の種類や伝え方の工夫を整理し、最後に「褒める文化を仕組み化する方法」についてご紹介します。
01:部下の褒め方は「4つの承認」から始める 02:結果だけでなく“プロセス”も承認する 03:Iメッセージ×SBIで、伝わる褒め言葉に 04:その褒め方、逆効果かも?(サンドイッチ法の落とし穴) 05:職場に“褒める文化”を根づかせる:サンクスカードアプリという解決策 06:部下を伸ばす褒め方に関するQ&A まとめ:褒め方を“文化”に変える |
部下を褒めたいと思っても、何をどう褒めればよいか迷う方も多いでしょう。
そこで役立つのが、コーチングや人材育成の分野で広く紹介されている「4つの承認」です。
これは褒め方の基本的なフレームワークであり、意識するだけで日常の承認がぐっと具体的になります。
1. 存在承認
「あなたがここにいてくれてうれしい」「いてくれるだけで安心する」など、存在そのものを認める褒め方です。
成果や行動に関係なく伝えられるため、普段から部下に安心感を与えることができます。
特に新入社員やまだ自信を持てない若手にとって、この言葉は大きな励みになります。
2. 行動承認
具体的な行動や努力に注目して褒める方法です。
「会議の準備を期限内に終えてくれて助かった」「取引先への対応が丁寧で良かった」など、観察した事実をそのまま伝えます。
漠然と「よくやったね」と言うよりも、何を評価しているのかが明確に伝わるため、部下の再現性を高めます。
3. 成長承認
過去との比較に注目し、成長のプロセスを認める褒め方です。
「前回よりも説明がわかりやすくなっていたね」「以前は苦手だった交渉がスムーズにできるようになったね」など。
本人が気づきにくい変化を指摘すると、部下は自分の成長を実感でき、さらにモチベーションが高まります。
4. 成果承認
最もイメージしやすい褒め方で、結果や数字を認めるものです。
「契約件数が目標を超えたね」「プロジェクトを予定より早く終えてくれてありがとう」など、成果に対する直接的な承認です。
成果承認は即効性が高く、達成感を強化する効果があります。
これら4つの承認を意識すれば、褒め方のバリエーションが一気に広がります。
「部下を褒めるのが苦手」と感じている上司でも、存在・行動・成長・成果という切り口を持っておけば、場面ごとに自然な褒め言葉を選べるようになります。
次章では、この「4つの承認」をさらに活かすために欠かせない視点。
結果だけでなく“プロセス”も承認することについて見ていきましょう。
上司が部下を褒めるとき、多くの方が「結果」を見て言葉をかけがちです。
もちろん成果をしっかり認めることは大切です。
けれども、それだけだと「頑張っても結果が出なければ意味がない」と、部下が受け止めてしまう可能性もあります。
実は、褒めるポイントは成果だけではありません。結果に至るまでの努力や工夫。
つまり“プロセス”に注目することで、部下のやる気や挑戦心はもっと大きく育っていきます。
♦結果承認とプロセス承認の違い
結果を褒める:「契約を取ってくれてありがとう」
プロセスを褒める:「成果にはつながらなかったけど、根気強く提案を工夫していたのが良かったよ」
どちらも大切ですが、プロセスを認められると「自分の努力をちゃんと見てもらえている」という安心感が生まれます。その一言が、次の挑戦につながるエネルギーになるのです。
♦プロセスを褒めると生まれる効果
✅挑戦を後押しできる
「結果が出なくても見てくれている」と思えることで、部下は失敗を恐れず挑戦できるようになります。
✅学びが深まる
「どこが良かったのか」を具体的に伝えられると、部下は自分の強みや改善点を客観的に理解できます。
✅努力を続ける力になる
結果が出るまで時間がかかる仕事でも、努力の過程を承認されるとモチベーションが途切れません。
♦すぐに使える言葉の例
「この一週間、準備をコツコツ進めていたのをちゃんと見ていたよ」
「結果は惜しかったけど、工夫しながら粘り強く対応していたね」
「前よりも説明の仕方がわかりやすくなっていたよ」
こうした言葉は、部下に「自分の行動をしっかり見てもらえている」という安心感を与えます。
結果とプロセス、どちらも承認することが、信頼関係を強くし、成長を後押しする褒め方といえるでしょう。
次の章では、褒め言葉をさらに効果的にする工夫、「Iメッセージ」と「SBIモデル」をご紹介します。
「よくやったね」「助かったよ」など褒め言葉はシンプルでも十分に嬉しいものです。
でも、言葉が抽象的すぎると「どの部分を評価してもらえたのか」が伝わらず、部下にとっては少しもったいない褒め方になってしまうこともあります。
そんなときに役立つのが、IメッセージとSBIモデルです。
この2つを組み合わせると、褒め言葉に具体性と温かみが加わり、相手にまっすぐ届きます。
♦Iメッセージとは?
Iメッセージは「あなたはすごいね(YOUメッセージ)」ではなく、「私は助かったよ(Iメッセージ)」と、自分を主語にして気持ちを伝える方法です。
YOUメッセージ:「君は優秀だね」
Iメッセージ:「君がまとめてくれたおかげで、私はとても助かったよ」
同じ内容でも、後者の方が「自分が役立てた」という実感を与えやすく、モチベーションにつながります。
♦SBIモデルとは?
SBIは、Situation(状況)→ Behavior(行動)→ Impact(影響) の頭文字を取ったフレームワークです。
褒め言葉にこの順番を意識すると、ぐっと具体的になり、相手が自分の行動を理解しやすくなります。
例文を見てみましょう。
Situation(状況):「昨日の会議で」
Behavior(行動):「資料をわかりやすく整理して説明してくれたことが」
Impact(影響):「みんなの理解を深めて、議論がスムーズに進んだよ」
これだけで、「自分のどんな行動が、どう役に立ったのか」がはっきり伝わります。
♦Iメッセージ×SBIでさらに効果的に
IメッセージとSBIを組み合わせると、褒め言葉がさらに強く響きます。
「昨日の会議で(Situation)、資料を整理して説明してくれたことが(Behavior)、私自身とても理解しやすくて助かったよ(Impact+Iメッセージ)」
このように伝えると、部下は自分の行動が具体的に評価されたことを理解し、「次も頑張ろう」と思えるのです。
褒めるときに、ただ「すごいね」と言うだけではもったいない。
IメッセージとSBIモデルを意識するだけで、褒め言葉は“部下の心に残る言葉”に変わります。
次の章では、褒め方の中でも注意が必要な「サンドイッチ法の落とし穴」について触れていきましょう。
「褒めて → 注意して → また褒める」という流れをサンドイッチ法と呼びます。
「最後を褒め言葉で終えれば、相手も受け止めやすい」と思われがちですが、実は落とし穴もあります。
♦サンドイッチ法の弱点
一度なら効果的でも、何度も繰り返すと部下にこう受け止められてしまうことがあります。
「また褒めたふりをして注意したいだけなんじゃないか」
「結局ダメ出しがメインで、褒め言葉はおまけに聞こえる」
こうなると、せっかくの承認も逆効果。褒め言葉の信頼性が下がり、モチベーションがむしろ落ちてしまうケースもあります。
褒めることは一度きりなら簡単です。
でも、日々の忙しさの中で「継続して褒め続ける」ことが難しいのは、多くの上司が直面する現実です。
・忙しさで褒め言葉を伝える機会を逃してしまう
・面と向かうと気恥ずかしく、言葉にしにくい
・せっかく伝えても、その場限りで記録や共有が残らない
こうした課題を解決するために、多くの企業で取り入れられてきたのが「サンクスカード」です。
サンクスカードとは、社員同士が「ありがとう」「助かりました」といった感謝や承認の言葉をカードに書いて贈り合う仕組みです。
紙のカード一枚があるだけで、「伝えにくい褒め言葉」や「ちょっとした感謝」を気軽に形にできます。
シンプルながら、褒め合う文化を育てるために多くの企業で活用されてきました。
ただし紙のカードは、配布や回収の手間、記録の管理といった面で課題も残ります。
その不便さを解消し、褒め合う文化をさらに定着させるために登場したのがサンクスカードアプリです。
次の章では、このアプリが「褒め方を仕組み化し、文化として根づかせる」ために、どのように役立つのかを詳しくご紹介します。
ここまで見てきたように、部下を褒めることは「結果」だけではなく、「存在・行動・成長・プロセス」など、さまざまな切り口で承認できることが分かりました。
ただし問題は、それをいかに“継続”できるかです。
もともと多くの企業では「サンクスカード」という仕組みが取り入れられてきました。
社員同士がカードに「ありがとう」や「お疲れさま」といったメッセージを書いて贈り合う、とてもシンプルな仕組みです。
小さなカード1枚でも、普段は言えなかった感謝や褒め言葉を届けられる。
そして、それをもらった側が「自分の行動が認められた」と感じることで、組織全体に前向きな空気が広がります。
「褒めるのが苦手」「タイミングを逃してしまう」という上司にとっても、カードというツールがあるだけで言葉にしやすくなるのです。
しかし紙のカードには、どうしても課題がありました。
・配布や回収の手間がかかる
・書いたカードが一度きりで終わってしまい、蓄積されにくい
・離れた拠点やリモートワークでは利用が難しい
こうした課題を解消し、褒め合う文化をより手軽に・持続的に根づかせるために登場したのが「サンクスカードアプリ」です。
アプリなら…
・いつでもどこでも送れる:PCやスマホから手軽にメッセージを贈れる
・記録が残る:承認や感謝の履歴が蓄積され、振り返りに役立つ
・全員に共有できる:チーム内や全社で「誰が誰を承認したか」が可視化される
・習慣化をサポート:ツールがあることで、褒め言葉が自然に日常に入り込む
つまり、褒め言葉を「一度きりの気持ち」から「組織文化」へと進化させることができるのです。
Q1. 結果が出ていない部下でも褒めるべきですか?
A. はい。結果だけでなく、プロセスや努力の承認が大切です。挑戦や改善への姿勢を認められることで、部下は「見てもらえている」と感じ、次の行動につながります。
Q2. 部下を褒めるときにNGな言葉はありますか?
A. 「すごいね」「助かった」など漠然とした言葉だけでは伝わりにくいです。
また、他の人と比較する褒め方(「○○より上手いね」)は逆効果になることがあります。
必ず本人の行動や成長に焦点を当てて伝えましょう。
Q3. 上司からだけでなく、同僚同士で褒めることも意味がありますか?
A. もちろんあります。上下関係だけでなく横のつながりでも承認が飛び交うことで、組織の一体感や心理的安全性が高まります。
褒める文化は全員で共有することが大切です。
上司の一言は、部下のモチベーションを大きく左右します。
今回ご紹介した褒め方のポイントを振り返ると、
✅4つの承認(存在・行動・成長・成果)を意識する
✅結果だけでなくプロセスも承認する
✅IメッセージとSBIモデルで具体的に伝える
✅サンドイッチ法の使いすぎには注意
このような褒め方を取り入れることで、部下は「見てもらえている」という安心感を得て、自信や挑戦する意欲が自然と高まっていきます。
ただし、褒め言葉は“続けてこそ”力を発揮します。
忙しい日々の中で褒める習慣を定着させるためには、サンクスカードアプリのような仕組みを活用するのが効果的です。
カード1枚の「ありがとう」が、組織全体に前向きな空気を広げる。
それをデジタルで、もっと手軽に、もっと継続的に。
今なら初月無料で始められるサンクスカードアプリを、ぜひ一度お試しください。
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2013年11月5日 制定
株式会社エヌエスケーケー
代表取締役社長